【J2第25節】 7月24日のモンテディオ山形対ファジアーノ岡山戦の感想は？

Q.7月24日のモンテディオ山形対ファジアーノ岡山戦の感想を教えてください。

A.きっかけになり得る試合を落としました。

　ここ数試合、勝ちから遠ざかっている両チームの対戦でした。岡山は上位なので、警戒をしていましたが、矢島慎也選手がリオデジャネイロオリンピックに招集されたこともあってか、モンテディオは前半から主導権を握る試合展開となりました。　トップに入ったディエゴ・ローザは、裏を取る動きを積極的に見せ、相手ゴールに迫ります。前半は決定機と呼べる決定機はありませんでしたが、モンテディオには珍しくシュートが枠に飛んでいたので、「今日は勝てるかな？」と思いました。岡山もこれといった見せ場はなく、前半を終了します。

　後半は、序盤に押谷祐樹選手が躍動し、山形のゴールに迫りますが、山岸範宏のビッグセーブもあり、ゴールを割ることが出来ません。

　すると、直後に山形の時間帯になります。後半11分にはディエゴ・ローザとディエゴのワンツーから決定機を迎えます。が、これもボールが足元に入ったのか決めきれません。後半18分には右サイドから持ち込んだ川西翔太のパスがディエゴを挟んで、どフリーのディエゴ・ローザに渡りますが、慎重に置きに行ったシュートは、相手DFの篠原弘次郎選手がクリア。その前の後半15分にはこぼれ球を川西翔太がスペースの空いた位置で拾いますが、シュートを枠に飛ばすことができません。

　このあたりは、セカンドボールもほとんど山形が拾えており、前線からのプレッシャーも功を奏して、チャンスが次から次へと生まれました。久しぶりにワクワクする試合展開です。ただ、一方的に押しているにも関わらず1点が遠い。可能性を感じる動きが続いているので、次こそは！との思いで試合を見守ります。

　後半27分には、点こそは取れなかったものの脅威となっていたディエゴ・ローザと交代で伊東俊が投入されます。後半33分には、運動量豊富で、縦横無尽にピッチを走り回っていた佐藤優平と交代で鈴木雄斗が入りました。

　この交代には、ほんのちょっと疑問が残りました。というのも、ディエゴ・ローザも佐藤優平も試合に置いて存在感を出しており、点は取れないまでも可能性を感じる動きを続けていたからです。特に佐藤優平は後半の辛くなる時間帯でも走り回り、周囲の選手に指示をする姿が見られました。

　交代の動機を想像してみると、押している展開なので少し変化を加えたいのかな？という点と怪我などを心配しての交代かな？ぐらいには感じました。試合は完全に山形ペースになっており、変化を加えることで相手に揺さぶりをかけるのが狙いかな？と。ただ、それでも佐藤優平とディエゴ・ローザが抜けるのはちょっと意外でした。

　このイケイケの展開は後半35分に獲得したCKをキッカーの荒堀謙次がミスキックしたことで終焉を迎えます。蹴った瞬間、タッチラインを割って、綺麗に明後日の方向に飛んでいったボールを見て、ノリノリでイケイケで応援していたゴール裏席は沈黙。スタジアムの雰囲気は、異様ともいえる静寂とざわめき、なにか夢がさめてハッとしたような気持ちになりました。

　なお岡山は、後半30分に伊藤大介選手と交代して、島田譲選手が入り、同34分には押谷祐樹選手と交代して、鹿島からレンタル移籍してきた豊川雄太選手が入りました。

　試合が動いたのは後半37分。岡山がいい位置で獲得したFKのこぼれ球を、投入されたばかりでフリーになっていた豊川雄太選手が決めて0-1。

　久しぶりのワクワクする試合で、一度は頂点に近い興奮を覚えたのに、一気に落とされる感じ。スタジアムが異様な空気になって、直後に決められるというギャップ。あぁ、落胆ってこういうことね。なんか荒堀がメンタルにキテないといいなぁとかは思いました。

　その後、岡山は関戸健二選手と片山瑛一選手を交代。山形も荒堀謙次選手と高木利弥選手を交代させました。

　先制した岡山は、その直後から5バックの守備的布陣を敷き、ゲームを終わらせるプレイをしています。一方の山形は、その堅牢になった守備を崩せる選手や動きがなく、交代した選手も脅威とはならずに終了。暫定13位に順位を下げる結果となりました。

　今節は、もし山形が勝っていたならば、浮上のきっかけになるかもしれないくらいの試合展開でした。あの流れでキチッと勝てていれば、選手も自信が持てたように思います。

　山形は、勝てないんですが、3バックのフォーメーションの方が見ていて楽しい試合をしてくれます。ただ、3バックだとなかなか勝てません。10試合連続で失点しているのも徐々に気になってきました。

　次節の讃岐戦は、浮上のきっかけになるような試合になることを祈っています。これ以上負けると、シーズン序盤の悪夢が再びとなりそうで怖いです。

【ハイライト】モンテディオ山形×ファジアーノ岡山「2016 J2リーグ第25節」