【J2第30節】 8月21日のモンテディオ山形 対 FC岐阜 戦の感想は?
Q.8月21日のモンテディオ山形 対 FC岐阜 戦の感想は?
A.引き分けだったので良しとしましょう。
今年のモンテディオ山形の目標は「J1昇格」ですが、29節を終えての順位は18位と低迷しています。フロントやチームは「目標が後ろ向きになると悪影響が出る」といったことをチラッと言いつつ、「J1昇格」を目標に据えています。
プレーオフ圏に入るのは、状況としてかなり厳しくはなっています。私個人としては、今節からは「J2残留」という目線で試合を見たいと考えています。そう考えると引き分けでも勝点1を取ったのは評価できる結果です。
相手は同じく下位に低迷しているFC岐阜。ラモス瑠偉監督は成績不振で解任され、吉田恵(よしだめぐむ)監督に代わってからも勝ちを見い出せていません。一方の山形も後半戦は勝ちなしの状況となり、前半戦折り返しの時点では見えていたプレーオフ圏も遠くになり、残留争いに片足を突っ込みました。
今節のフォーメーションは4-4-2を採用。試合は終始モンテディオペースで進みます。岐阜は比較的守りに重きを置いた戦い方で、攻撃に脅威を感じませんでした。しかし、前半27分に不用意に与えたCKからニアに飛び込んだ難波宏明選手がゴールを決めて0-1。山形はまたも、課題のセットプレイからの失点を喫してしまいました。
終始、主導権は山形が握った試合でしたが、ボールを持っているというよりも持たされているような展開にも見えました。
山形が攻める際、最終ラインの押し上げとアルセウまでのボランチのラインまでは簡単にボールを持って入れます。問題はその次で、なかなか中盤やFWの位置まで良いボールを送れません。しばし、ボール回しをして、スペースが空かないと縦に入れるのですが、精度を欠いています。
カウンターを仕掛ける際も同じです。山田拓巳がサイドで持ち上がっても、中央に選手がいません。結果、また最終ラインやアルセウポジションまでボールを下げ、選手が揃うのを待ちます。この時間に岐阜は体制を整えているので、なかなか崩すことができません。前線に上がった選手も足が止まって、ボールを待っている状態になり、パスミスなどでボールを取られるという展開になります。
うまくサイドチェンジしても最後のクロスで精度を欠いているので脅威になりません。山形の攻撃の課題が、この攻撃の遅さとクロスの精度の無さのように感じます。もう少しスピーディなボール回しや、フィニッシュへのボールの供給について工夫が必要です。結局、相手に固められたら得点を奪えないことは解消されていないのがネックです。
岐阜は最終的に5ラインを敷き、山形が同点に追いついたシーンもCKからでした。ちょっとこうした部分で課題はあるなぁと思いますが、今は内容も結果がすべて。「残留争い」ということを考えると「負けないこと」が大事になってきますので、泥臭くても勝点1。あわよくば勝点3を狙いたいです。
また、負けが込んでいるせいか運にも見放されているシーンがここ数試合ありますのでこういった部分を手繰り寄せたり、大黒将志とは連携が取れていないシーンもまだ見られるので修正したりしつつ、残りの試合で、あと勝点10から15を積み上げて「残留」を果たしてほしいです。
なお、今節では最下位の北九州が勝利したので、降格圏までの勝点差は4に縮まりました。1勝や勝点1がほんとに重要になってきます。