Q&A

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自分自身に聞き、自分自身に答えるQ&A + メモ(というか、ほぼメモ) 。

百田尚樹さんの「カエルの王国」の感想は?

Q.百田尚樹さんの「カエルの王国」の感想を教えてください。

 

A.百田尚樹さんは小説家・作家のほかに保守派の論客として活躍されてます。「カエルの王国」は、カエルの世界で、日本が問題として抱える中国の尖閣諸島への侵略行為と憲法9条と平和思想について描いています。

 主人公のソクラテスは、紆余曲折の旅の果て、平和の国ナパージュにたどり着きます。ナパージュのカエルは親切で実に牧歌的です。この国では「三戒」と呼ばれる戒めを守り、自国の先祖が好戦的で野蛮だと信じられていました。

 カエルたちは「三戒を守れば戦争が起きないと信じています」。しかし、その国に近づいてくる悪いカエルたちがいました。この悪いカエルへの対応を巡って、ナパージュは大きく揺れます。

 追い出そうというカエル。話し合えばわかるというカエル。そんなナパージュのカエルたちの動向を見て、侵略の様子を伺う悪いカエル。

 

 そう、これは2016年現在、沖縄県石垣市尖閣諸島を巡った日本が中国に対して抱える問題と同じです。「三戒」は、「憲法9条」であり、ナパージュの右往左往は、日本が現在、安全保障を巡る議論の最中にいることを表しています。

 中国に対するハト派タカ派。武力保持容認派と武力を持つとすぐ戦争と言ってしまう人たち。理想を掲げるマスコミ。「戦争法案反対」と叫ぶ若者。こうした模様がカエルに置き換えられて表現されています。

 物語は、「三戒」を尊守した先が描かれています。そこにあるのは、理想通りの現実か後悔の残る未来か。保守派の論客が描く未来は、子供でも分かりやすい表現と展開で描かれています。

 2016年現在の尖閣諸島を巡る問題を知る一冊としても本書は実に有益に思えます。

 

カエルの楽園

カエルの楽園