三浦弘行九段のスマホアプリ使用疑惑についてどう思いますか?
Q.三浦弘行九段のスマホアプリ使用疑惑についてどう思いますか?
A.ルールが良くなかったと思います。
三浦弘行九段が将棋の対戦中にスマホアプリを使用していた疑惑が持ち上がり、不使用を証明することが困難であることから竜王戦への挑戦権が失くなりました。
この疑惑が上がった時に考えたのは、「スマホアプリの棋力が現役棋士よりも高いのかどうか」という点です。
電王戦などで将棋AIが現役棋士より棋力が上なのは証明されていますが、モバイル端末というのは、そもそもの処理能力が低くてバカAIになりがちなイメージを漠然と持っています。これは携帯電話や持ち運びゲーム機などを使っていた時のイメージが根底にあります。昨今のスマートフォンは性能が良くなってきたので、もしかしたら、そうした現役棋士との対局に持ちこたえるだけの能力があるかもしれません。このあたりはいずれ報道などで知り得るでしょう。
もうひとつはルールです。これも報道を見た限りだと、「スマホを使っては悪い」というルールは無かったようです。今回は、道義的にはおかしいというので、処分がなされたのだと思います。
これが少し性急な気がします。ルールに無かったのなら今回は注意だけに留めて、ルールを策定後、ルールに沿った処分をすれば良かったかなと思います。例えば、電子機器の持ち込み・使用を禁止しての対局や対局前に一時預かるなどの措置を行い、破ったものは処分。逆に持ち込み可の対局もあっても良いかもしれません。
これだけ将棋連盟が危機意識を持つのは、スマホアプリの方が棋力が高いということになれば、今までの知の戦いへの憧憬が薄れてしまうからかなーと推測します。やはり人間が切磋琢磨して、孤高の存在になるみたいなイメージを勝手に将棋や囲碁に持っていますが、アプリ使っちゃうと風情や威厳みたいなものが無くなっちゃいますしね。努力すら否定することにもなりかねませんし。
将棋連盟は、12月から電子機器の持ち込みを禁止する措置を決めたようですが、これを書いているうちに「ただの不正やズルから、将棋に対しての見え方を問われる」ような気がしてきました。