Q&A

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Q&A

自分自身に聞き、自分自身に答えるQ&A + メモ(というか、ほぼメモ) 。

カジノ法案とギャンブル依存症とパチンコ業界について、どう思いますか?

Q.カジノ法案とギャンブル依存症とパチンコ業界について、どう思いますか?

 

A.「カジノを含むIR法案」に注目が集まり、ギャンブル依存症が増えるから法案に反対という意見が出て、いやいやパチンコがギャンブル依存症の元凶でしょ?という感じになっています。

 

 

 これについては、カジノが出来たからギャンブル依存症を誘発するという意見は、少し間違っていると思います。カジノの本を読むと分かるのですが、諸外国ではカジノに関するギャンブル依存症対策が進んでおり、カジノ側の判断や利用者が自己申請をすれば、出入り禁止の措置がとれます。

 また、カジノは基本的には外国人観光客に利用してもらう施設であり、立地の良い場所に建設された場合は、自国民の入場ができないか、高額な入場料を払わないと入場できないといった措置が取られると思います。

 カジノ=ギャンブル依存症のイメージがついたのは、元大王製紙会長の井川さんがカジノにハマってやらかしたことなどが理由に上がると思います。あとは、単純に賭博施設=ギャンブル依存症という部分もあるかもしれません。

 

 個人的には、カジノを含むIR法案には賛成でも反対の立場でもありません。あまり関係ないなという気がするからです。それでも反対の立場を取るのであれば、ギャンブル依存症にフォーカスして、公営ギャンブルやパチンコの在り方を問うた方が良いと思います。

 

パチンコ業界は、のめり込み(依存症)対策をしていないのか?

 今現在、ジャーナリストなど論客は、「カジノ=ギャンブル依存症」ではなく、「パチンコ=ギャンブル依存症」だろうという論を話す人が多くいます。これは、先進国ではずば抜けて多いとされる潜在的ギャンブル依存症の数が500万人以上とする厚生労働省のデータを用いれて説明されます。

 パチンコは大衆娯楽の体を取っていますが、実質、その中身はギャンブルそのものです。しかし、ギャンブル性が高かった時代は10~20年前がピークであり、現状のパチンコを指して、「パチンコ=ギャンブル依存症」という指摘もずれています。

 というのも、すでにパチンコ業界は、機械のギャンブル性能が一時期に比べて著しく低下したほか、貸玉料金も通常のレートの1/4となる1円パチンコが普及し、1日で使用できる金額は、グッと減りました。

 もちろん、通常のレートである4円パチンコや20円パチスロも残っており、この部分においてギャンブル依存症が存在するのは否定できません。しかし、一時期と比べて遊技機のギャンブル性は落ちています。10数年前は、5万円入れて10万勝つといったギャンブル性能を持った機械が普通にありましたが、近年ではいくらお金を入れてもリターンが少なく、稀に10数万円勝つこともあるでしょうが、概ね2-3万円勝てば良い方。はっきり言えば、リスクに見合うリターンが見込めない機械が増えています。

 こうした機械が増えると、リターンを見込む客が減ります。パチンコ業界はピーク時に年間3000万人ほどの利用がありましたが、現在は1000万人程度と1/3に減少しています。

 特にライト層と呼ばれる利用頻度が低い客は姿を消したと言われ、残っているのはヘビーユーザー層です。このヘビーユーザー層も1円パチンコと4円パチンコの層に分かれます。

 1円パチンコの層は、まだ利用金額が少なく、体感としてはゲームセンター並の貸玉料金で遊べるので、まだ問題の程度としては看過できるかと思います。

 4円パチンコの層は、少し心配です。というのも近年の機械は、リスクに見合うリターンが見込めない為、利用客はお金をいくら入れてもリターンが取れない状況に置かれてしまいます。

 そうすると病的賭博の思考に陥った利用客は、問題を孕んでしまうほどの金額を使ってしまう可能性が見えてきます。「パチンコで負けた金は、パチンコで取り返す」という思考になれば、その結果は悲惨です。

 こうした部分は救済したり、課題として取り組まないといけないでしょう。たとえば、利用金額の上限を設けるなどです。

 パチンコ業界の対策としては、「パチンコ依存問題」の相談機関として、リカバリーサポート・ネットワークを立ち上げ、支援しています。リカバリーサポート・ネットワークは、電話相談でパチンコ依存に関する相談を受け、必要ならばギャンブラーズ・アノニマスやワンデーポートなどの回復機関への取次を行なっています。

rsn-sakura.jp

 

 また、パチンコ業界の横断的団体である日遊協は、のめり込みに関する取り組むを推進しています。

http://www.nichiyukyo.or.jp/FileUpload/files/magazine/201503/02_guidelines.pdf

 

 これが十分であるかどうかと言われれば、まだまだ不十分であると言わざるを得ませんが、一番ひどい時(なにもしなかった時期)よりはマシになってきています。ギャンブル依存症を理由に反対する方たちは、こうした部分に着目して、より業界が強く対策できるよう世論を煽ってもらいたいと思います。

 

パチンコの市場規模はカジノの数倍?そのカラクリと実態

 また、パチンコ業界の売上は20兆円程度、世界最大のカジノの街とされるマカオの数倍はあるという指摘もありますが、これは会計方法であるグロス方式とネット方式による違いです。

 パチンコ業界は、グロス方式で売上を計上しています。これは貸玉金額を売上として計上しているというものです。これではパチンコで勝った人に提供する景品の取得価額が考慮されておらず、実態とかけ離れています。

 逆にカジノ業界は、こうした部分を考慮したネット方式で売上を計上しています。グロスとネットを乱暴にいえば、グロスが総売上、ネットが純利益となります。

 総売上と純利益を比べるというのは、おかしい話です。パチンコ業界もネット方式で計算すれば、機関によってデータは違いますが概ね2兆円から4兆円程度の売上規模です。

 これはカジノ産業や競馬と市場規模としては同等といえます。

 

 では、なぜパチンコ業界はグロス方式を採用したのか?といえば、自分を大きく見せるためです。パチンコ業界は社会的地位が低いことが長年のコンプレックスとなっており、市場規模を大きく見せることで社会的地位の向上を目指しました。

 また、ホール企業の株式上場などの動きもそうした部分が色濃くあります。まぁ、現在になってそうして自分を大きく見せることが、誤解を生む結果になったのは、なんともいえないところでもあります。

 

在日経営者が多い理由と送金

 ついでに、パチンコ業の経営者に在日韓国人朝鮮人が多いとされる件についても触れたいと思います。

 パチンコは1950年ごろに連発式ぱちんこが開発されて、爆発的に人気を呼びました。そのころは日本全国で4万件以上のぱちんこ店がありました。経営者の多くは日本人だといわれています。戦後間もないころ、在日の韓国人や朝鮮人は仕事を選べない状況にありましたが、遊技機メーカーの「まさむら」などは、日本人も在日の人も差別することなく機械を販売したこともあり、そうした方も遊技業に参入しました。

 しかし数年後、連発式ぱちんこのギャンブル性が社会問題となり、警察庁の指導で、ギャンブル性を落とした機械しか設置できないようになります。ギャンブル性が低下するとお客も離れ、パチンコは儲からない業種になりました。そうなると日本人経営者の多くは、ぱちんこ店をヤメ、業態替えをします。在日の方は、差別があった時代で業態替えもママならず、ぱちんこ店を継続することが現実路線でした。結果、ほかに業態を変えることができた日本人経営者は少なくなり、変えることができなかった在日の経営者の比率が高くなりました。

 1990年代には、そうした経営者による北朝鮮への送金問題が取り沙汰されました。しかし、2000年代以降は、多額の送金はできなくなってきています。

 完全に無くなったわけではないでしょうが、昔と比べてルートも限られ、電子化され、パチンコ自体も儲からなくなり、経営者も2世3世と代替わりすることで、祖国に対する気持ちもなくなってきていると聞きます(2世3世のなかには日本で生まれて、日本で育った人が多く、祖国はルーツとして認識する程度で親しみがないとのこと)。

 パチンコは送金しているから問題だ!という指摘もありますが、現状を見るとこれも少し古い指摘かと思います(過去にそうしたことはあったとは思いますが)。

 

 個人的に思うのは、ギャンブル依存症対策が注目を集めていますので、ジャーナリストや政治家は、もう少し踏み込んだり、踏み込んだ知識をもって、イメージではない指摘をしてもらい、そうした対策が効果的に進むよう議論をリードしてほしいなと思います。