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「偽装中流 中間層からこぼれ落ちる人たち(須田慎一郎)」の感想・レビュー

 

第三の生き方も選択肢に(2018年1月15日)

 「偽装中流」を読了。サラ読みするつもりが3日ほど掛かった。須田慎一郎氏は、テレビやラジオで活躍している経済ジャーナリスト。個人的には、好きなジャーナリストのひとりである。というのは、私は右派系の番組をよく見るが、須田氏はあまり口が悪くない。他の出演者が思想が違う人をボロクソにいうが、須田氏はそのあたりはちょうど良い。三枚目も演じられるあたりに好感を持った。好感を持っているなぁと気づいたので買ったのが本書。昨今の日本では、二極化が進み、中間層がいなくなっているという分析や、安倍政権の経済政策への考察、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に対する考え方を示している。文章はとても読みやすい。筆者は「勝ち組」「負け組」といった従来の考え方とは別の戦略もあると示している。例にとっているのが「田舎暮らし」で、マイナンバー制度の導入で銀行口座や資産が国に把握されるなら、畑で採れたものを融通し合う「物々交換」もまぁいいんじゃない?という事が例として書いてある。筆者は「田舎暮らし」は一例で推奨している訳ではないが、つまりそういった競争とは別の生き方を示したと受け取れる。中流にすがりついてアクセクするくらいなら、「晴耕雨読」な生き方も一興ではある。正直、このあたりは意見が分かれる話だろうが、私自身は、ここ10年で都会への憧れは消え、田舎の心地よさも分かっているので支持はできる。「ちょうど良い田舎」というは、割と日本にある。地方は特に人口減少が喫緊の課題であるため、移住者は手厚い補助が受けられる場合もある。そうした「第三の生き方」は、何かあった時の選択肢に持っておいても良いのではないかと感じた。

 

 

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