Q&A

Q&A

自分自身に聞き、自分自身に答えるQ&A + メモ(というか、ほぼメモ) 。

アメリカ大統領選挙で。ドナルド・トランプ氏が勝利した理由はなんだと思いますか?

Q.アメリカ大統領選挙で。ドナルド・トランプ氏が勝利した理由はなんだと思いますか?

 

A.時代の勢いかなと思います。

 世界の趨勢を見ますと、各国はグローバル化から内向きの方向に向かっています。例えば、ブレグジットしたイギリスしかり、中国の習近平しかり、ロシアのプーチンしかり、フィリピンのドゥテルテしかり、各国との共存・連携よりも「まずは自国」という傾向が強くなっています。

 これは、シリア戦争激化による難民の流出が根底にはあります。シリア戦争は、アメリカとロシアの代理戦争の一面がありました。難民の流出がはじまった際、ヨーロッパ各国はドイツのメルケル首相を中心に受け入れの方向に向かいましたが、その数が膨大になると受け入れ拒否の方向に舵が切られました。

 これはつまるところ、「これまでの欧米の正義が敗北した瞬間」でもありました。難民が流出するにつれ、自国民の不満が高まり、ポピュリズムの後押しもあって内向きな政策をとる国が増えたように思います。

 

 あとこれは、個人的に思っていて全く今回の選挙に関係がないのですが、これまでクリーンなイメージのあった女性指導者が必ずしもそうではないということが続々明るみに出ました。ヒラリーさんしかり、朴槿恵韓国大統領しかり、日本では蓮舫さんしかり、これは今回の選挙には影響ないでしょうが、時代の趨勢をみていると、ヒラリーさんが勝つ理由は「米国の良心か既得権益層の影響力」以外になかったのかなと思います。

 

 政策を見ますと、ヒラリーさんはオバマ大統領の路線を継承する政策でした。これは当面は安定しても先行きが不透明で暗いという観測でした。一方のトランプさんは、政策に具体性がなく、当面は大混乱、先行きは分からず良くもなれば、より悪くなるという観測ができました。

 そうなると、先行きが良くなるという可能性はトランプさんの方が強かった訳です。もちろん、悪くなる可能性もトランプさんが強い訳で、今回の結果は一種の賭けに似た部分かもしれません。

 

 既得権益層の影響力については、今回の選挙は既得権益層やマスコミなどはこぞってヒラリーさんを支持していました。共和党の内部からもトランプさんに投票しないよう呼びかけていました。結果を見るに、その影響力は以前より勢いを無くし、権益層に影響力が無くなってきていることを示しました。

 事前予想については、高学歴の人ほど「トランプを支持しているというのは恥ずかしい」という気持ちがあり、事前調査に正確に答えない「隠れトランプ現象」が指摘されています。この結果、事前の予測と実際の結果に差異が生まれる結果となりました。

 

 もし、民主党候補者がバーニー・サンダースであれば、結果はまた変わったでしょう。バーニーの方が優勢だったように思います。

 ともあれ、トランプさんが大統領になった場合、彼はポピュリストという部分もあり、暴言は言うけどプライドは高くない一面もあります。あんな風体をして、酒もタバコもしません。

 世界の独裁者やイロモノ?指導者になぜか好かれるのが、日本の安倍晋三首相です。意外と会ってみたら「日本と安倍首相は悪いやつだと思っていたが、実際にあってみると考えが変わった」とか、いうかもしれません。

 トランプさんの面白いところは、当選してちょっと経てばコロッと変わる可能性があるところです。ただ、彼はポピュリストなので、鳩山由紀夫元首相みたいになれば、それはそれで頭を悩ます言動をするかもしれません。脇がカチッと固まって、シンボルはトランプ、実務はマイク・ペンスみたいになれば意外とうまくいくかもしれませんね。